大手自動車メーカーで培った現場起点の経営を、100年企業づくりへ。
セレンディップで挑む、事業改革・組織改革・PMIのリアル
Q1. 現在、セレンディップで担っている役割を教えてください。
現在は、大きく二つの役割を担っています。
現在は、一つは、セレンディップグループ全体の業務改善と、サーテックカリヤの経営改革という二つの役割を担っています。
もう一つは、PMIの一環として、サーテックカリヤの経営に入り込み、現場で改革を推進する仕事です。
今、特に責任を持って取り組んでいるテーマは三つあります。
一つ目は、事業戦略・経営戦略の再構築。
二つ目は、それを実行するための組織・企業文化改革。
三つ目は、労働生産性の向上です。
DXや自動化はもちろん重要ですが、それ自体は手段であり目的ではありません。
大切なのは、会社として生み出す付加価値をどう高めるか、同じ付加価値をより効率的に生み出せる仕組みをどうつくるかです。
設備を入れる、システムを導入するという話だけではなく、事業のあり方、現場のモノのつくり方、組織やヒトの動き方まで含めて考える必要があります。そこが今、私たちが向き合っている大きなテーマです。
Q2. これまでのキャリアの中で、今につながっている経験を教えてください。
前職では、大手自動車メーカーに約21年在籍していました。その中で、中国の合弁会社に出向していた時間も含め10年以上海外で仕事をしてきました。振り返ると、そこで経験していたことは、広い意味でPMIに近いものでした。
PMIというと、M&A後の統合作業というイメージが強いかもしれません。
ただ、本質的には、違う文化や価値観を持つ組織同士が、どうやって同じ方向を向いて仕事を進めていくかということだと思っています。
中国での合弁事業や、米国スタートアップとのアライアンスでは、企業文化も意思決定の仕方も異なります。その中で、方向性を合わせ、共通の目的に向かって進めていく経験をしました。その経験は、今の仕事に非常に役立っています。
セレンディップグループには、自動車関連の製造業も多くあります。現地現物、原価低減、継続改善、現場を重んじる考え方など、これまで身につけてきた価値観が通じる場面も多いと感じています。
Q3. 大手企業での経験を経て、なぜ次の挑戦としてセレンディップを選んだのですか。
セレンディップが掲げている「100年企業の創出」という考え方に共感したことが大きいです。
私は長く自動車産業のバリューチェーンの中で仕事をしてきました。その中で、日本の中堅・中小企業が抱える課題、特に事業承継の問題は想像以上に大きいと感じていました。
自分がこれまで学んできたことを、どこかで社会に還元したい。
そう考えていた時に、セレンディップの「100年企業の創出」や「家業から企業へ」という理念に出会いました。
また、MBA修学中は、事業承継のゼミに所属していましたが、実際に事業承継者として会社を継ぐ方々と話すなかで、大企業では当たり前に行われている経営管理や改善の仕組みが、中堅・中小企業ではまだ十分に浸透していないケースがあると感じていました。
自分の経験や知見が、少しは役に立つのではないか。
そう思ったことが、セレンディップに参画した大きな理由です。
Q4. セレンディップだからこそ感じる仕事の面白さは何ですか。
一つは、優秀なメンバーが多いことです。
セレンディップ本体にも、グループ会社にも、人間力が高く、優秀な人がたくさんいます。そういう人たちと一緒に仕事ができることは、とても楽しいです。
M&Aによってグループに加わった会社には、それぞれの歴史や文化があります。そこには、ものづくりに対する矜持や、現場で培ってきた知見があります。特に製造業の現場には、自分たちが作っているものに誇りを持っている人が多いです。
日本はモノづくりの国であり、世界からも尊敬されている部分があります。現場の方がたが持つモノづくりへの愛情やこだわりに触れられることは、この仕事の大きな魅力だと思います。
一方で、難しさもあります。
大きなテーマは、「家業から企業へ」という変革です。
オーナー企業では、長年の経験や勘によって成り立っている部分があります。もちろん、それ自体は大きな強みです。優れたオーナー経営者の判断や現場の熟練した知見によって、会社が成長してきた面もあります。
ただ、その知見が一部の人にしか分からない状態のままだと、持続的な成長をしていける企業にはなりません。
勘や経験に基づく暗黙知を、誰もが理解し、再現できる形に変えていくことが重要です。特に、財務、原価管理、販価設定といった面は、特定の人間だけが理解できるようなブラックボックス化してはいけません。
現場の皆さんは一生懸命ものづくりをしています。しかし、製品ごとの採算や原価構造がみえにくいままだと、その努力が経営成果にうまくつながらないことがあります。だからこそ、現場の頑張りをきちんと経営に反映できる仕組みをつくる必要があります。ここが、今取り組んでいる難しさであり、同時に大きなやりがいでもあります。
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Q5. 働くうえで大切にしている考え方や判断軸を教えてください。
大切にしているのは、価値観や考え方をきちんと合わせにいくことです。
何かを進める時に、いきなり「何をやるか」から入ってしまうと、人はなかなか動きません。
まず、「なぜこれをやるのか」を共有することが大事です。
「なぜ」を理解し、腹落ちしてもらう。その上で、どうやってやるのかを一緒に考え、最後に具体的に何をするのかに落とし込む。
「言われたからやる」ではなく、自ら考え動ける人を増やしていくことが大切だと思っています。
もうひとつ大切にしているのは、一次情報に触れることです。
製造業でいえば、現場が一次情報です。
何か問題が起きた時に、報告書だけを見るのではなく、実際に現場に行って確認する。自分の目で視る。現場の人の話を聞く。
現地現物という考え方は、今の仕事でも非常に大切にしています。

現場の様子
Q6. 今後、セレンディップで挑戦したいことと、入社を検討される方へのメッセージをお願いします。
まず、PMIを「より本質的な企業価値創造までやり抜く」体制までつくり込む挑戦をしていきたいですね。
PMIには、大きく三つの段階があります。
一つ目は、会計、規程、権限、月次管理などを整える管理統合。
二つ目は、経営方針、KPI、意思決定、人事制度、原価管理、生産管理などを見直すオペレーション改善。
三つ目は、原価改善、品質向上、サプライチェーンの強化などを通じて、企業価値を高めていく段階です。
よくPMIという言葉を耳にするようになりましたが、残念ながら「管理統合」だけで終わってしまうケースもよく見かけます。
私たちは、管理統合に終わらず、オペレーション改善、そして企業価値創造まで進めていく。
そこまでやり切れる人材や仕組みを、セレンディップグループの中につくっていきたいと考えています。
セレンディップで力を発揮しやすいのは、まず凡事徹底ができる人です。
普通のことを、当たり前に、徹底してやり切ること。これは製造業に関わるうえで非常に大切です。
次に、自ら考える力を持っている人です。
指示されたことをこなすのではなく、なぜそうするのか、どうすればもっと良くなるのかを考えられる人は、セレンディップで力を発揮しやすいと思います。
そして、人から学ぶ姿勢や、相手の話を聞く力も大切です。
セレンディップグループには、さまざまな会社があります。業種も違えば、企業文化も違います。その中で、相手のことを理解し、相手の立場に立って話をきちんと聞くことができる人は、グループの中で価値を発揮できると思います。
セレンディップは、日本の中堅・中小企業が抱える事業承継や経営課題に向き合い、100年続く企業をつくっていくことに挑戦している会社です。
仕事を通じて成長したい人。自分の経験や専門性を、社会に役立つ形で生かしたい人。経営や現場に近いところで、本質的な課題解決に取り組みたい人。そういう方には、ぜひ関心を持っていただきたいです。
セレンディップには、周りから学び、自ら考え、挑戦できるフィールドがあると思います。
酒井 一繁|さかい かずしげ

セレンディップ・ホールディングス株式会社
業務改善推進本部 執行役員 副本部長/株式会社サーテックカリヤ専務取締役
米国公認会計士
トヨタ自動車に約21年間在籍し、国内外の事業企画、グループ会社統括、原価管理、海外営業、サプライヤーマネジメントなど、幅広い領域に従事。中国北京に10年駐在し、帰国後は中国事業戦略や米国スタートアップとの協業プロジェクトにも携わり、異なる企業文化や価値観を持つ組織との連携を通じて、実践的な事業マネジメント経験を積む。
トヨタで培った「現地現物」「問題解決」「改善」「原価低減」の考え方を軸に、経営と現場をつなぎ、組織が自ら変化し続けるための仕組みづくりを大切にしている。
現在は、セレンディップ・ホールディングスの業務改善推進本部において、グループ会社の業務改善、PMI、経営管理体制の整備、グループ横断での生産性向上などに取り組む。
株式会社サーテックカリヤでは経営メンバーとして、経営戦略、組織改革、収益改善、販売拡大を推進。現場の力を最大限に引き出しながら、企業価値の向上と持続的な成長を目指している。
大切にしているのは、机上の理論ではなく、現場に入り、課題を共に視つけ、共に考え、共に変えていくこと。
「人と組織の可能性を信じ、企業が次の成長ステージへ進むための伴走者でありたい」
――その想いを胸に、日々、グループ各社の変革に取り組んでいる。
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