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2026.05.01
ソリューション事例 デジタル

【製造現場改善事例】 株式会社ナニワ様 週休2日制の実現につながった 生産性15%改善の現場改革

DXによる業務効率化を進めた後、ナニワ様では「次の改善」をどう進めるかが課題になっていました。
そこで取り組んだのが、セレンディップによる現場改善伴走支援です。作業導線やレイアウト、役割分担を現場とともに見直したことで、生産量を維持しながら生産性を10〜15%改善。年間休日も105日から119日へ改善し、週休2日制の実現につながりました。
本記事では、DXの次に必要だった“現場改善の進め方”についてご紹介します。

お客様:株式会社ナニワ
杉本 健児(工場長)
加瀬澤 啓郎(生産技術部 生産管理課 課長) 
加藤 雄輝(製造部 製品課 製品課長)
渡部 紗妃(製造部 改善アシスト)

導入ソリューション:現場改善伴走支援

週休2日制の実現につながった
生産性15%改善の現場改革

DXの次に必要だった「次の改善ステップ」

 

DXの次は
プラスのスパイラル
を回したかったんです

杉本工場長

ナニワの製造現場では、生産量に対して労務時間の規制があり、法令順守を徹底することが前提になっていました。一方で、それを守ろうとするほど現場の業務負荷は高まり、改善したいことや提案したいことがあっても、なかなか手をつけられない状態が続いていたといいます。その結果、現場では疲弊感が強まり、離職も課題の一つになっていました。加えて、休日日数の少なさも課題となっており、「このままでは持続的に現場を回していけない」という危機感があったと杉本工場長は振り返ります。こうした課題は、少なくとも5年以上前から続いていたものでした。

そこでナニワが最初に着手したのは、現場改善そのものではなく、DXによる業務の見直しでした。
背景には、外部認証の取得があります。認証を維持するには膨大な文書の作成・更新が必要ですが、その多くが紙や互換性の低いExcelで運用されており、生産そのものではない管理業務が現場の大きな負担になっていました。

こうした間接業務の負荷を下げるためにDXツールを導入し、業務の見える化と効率化を進めていった結果、約700時間の業務削減につながったといいます。杉本工場長は、この業務削減によって生まれた余力を、次の改善や前向きな動きにつなげていきたかったと語っています。
ここで杉本工場長が言う「プラスのスパイラル」とは、業務負荷が下がることで改善したい人が動きやすくなり、その動きが次の改善につながっていく流れのことでした。

プラスのスパイラルを実現するために、なぜ伴走支援を選んだのか

ただし、余力が生まれただけでは、改善は前に進みませんでした。ナニワでは、その先を自分たちだけで考えようとすると、どうしても難しさやできない理由に意識が向きやすく、前向きな形に整理しにくかったといいます。また、数字として成果が出るだけでなく、現場が実際に「やりやすくなった」と感じられる改善であることも大切でした。

そこで導入したのが、セレンディップ製造コンサルティングチームによる伴走支援でした。杉本工場長たちが大きかったと振り返るのは、改善案を一方的に示すのではなく、「どうすれば前向きに進められるか」を一緒に考えてくれたことです。

できない理由を並べるのではなく、どうすればできる形にできるかを整理しながら、改善の道筋をつくっていった。その関わり方が、ナニワにとって意味を持っていました。

現場支援の様子

現場支援の様子

セレンディップの伴走型が合っていた理由

生産技術部 加瀬澤課長

比較した支援の中でも、ナニワにとっては、現場に入り込みながら一緒に進める伴走型が特に合っていたといいます。 実際には、セレンディップの大場と溝口がナニワの現場に入り込み、作業の様子や流れを見ながら、ナニワ側のメンバーと一緒に改善の進め方を組み立てていきました。
生産技術部の加瀬澤課長も、現場に入ってもらい、実際の作業を見たうえで一緒に考えてもらえたことが大きかったと振り返ります。加えて、食品業界の現場に関する経験があったことも、支援を進めやすくした要因の一つでした。現場特有の事情や感覚が伝わりやすく、机上の議論に寄りすぎず、実際の現場に即した形で進めやすかったと受け止められています。

また、工場に入った初期の段階で、安全面について率直な意見が出たことも印象に残っていたそうです。改善手法だけではなく、現場で働く人を大切にしている姿勢が感じられたことが、信頼につながりました。
さらに現場では、セレンディップの大場、溝口が作業者の動きやレイアウト、導線の取り方まで一緒に見ながら改善を進めていきました。現場では、その時点では最適だと思っていた配置も、時間がたつにつれて物の置き方や人の動きが変わり、やりにくさやムダが生まれていくことがあります。そこで、「いま本当に作業しやすい配置になっているか」「この動線にムダはないか」「スペースの使い方に無理がないか」といった点を、セレンディップがナニワの現場に入りながら一緒に見直していきました。その結果、レイアウトや作業導線の見直しが進み、ナニワの現場からも「作業がしやすくなった」という声が出るようになりました。
白紙になりかけた経験から見えたこと

 

現場が「やってよかった」と感じる効果があってこそ、成果もついてくる。

製造部 加藤課長

 

伴走型支援であっても、最初から順調だったわけではありません。実際、現場との温度差や伝え方の難しさから、改善案が白紙になりかけるほど大きな壁にぶつかった場面もありました。ただ、この経験を通じて見えてきたのは、改善は正しい理屈を示すだけでは進まないということでした。
数字や資料としては正しくても、現場が納得しなければ前には進まない。逆にいえば、現場が「やってよかった」と感じる効果があってこそ、成果もついてくる。このプロジェクトでは、そうした「成果」と「効果」の違いも共有されていったといいます。

その後、ナニワの加藤さんとセレンディップの溝口は、何が引っかかっていたのかを改めて見つめ直し、現場にどう伝えるべきか、どう対話すべきかを一緒に考え直していきました。さらに、大場が全体を見ながら進行を整え、溝口がナニワの現場の声を丁寧に拾いながら橋渡しをする。その役割分担があったことで、改善案は現場に納得感のある形へと立て直されていきました。

人の声を「聴く」姿勢が、改善を前に進めた

改善支援勉強会の様子

今回のプロジェクトを読み解くうえで見逃せないのが、杉本工場長の姿勢です。杉本工場長は、人を動かす前にまず人の声を聴くことを重視していました。現場に何が起きているのか、どこで引っかかっているのか、誰がどのように受け止めているのかを丁寧に見極めたうえで、改善を前に進めようとしていたのです。
この「聴く」という姿勢は、もともとナニワ様が大切にしてきた根源にある考え方でもありました。相手の声をただ聞くだけではなく、その背景や思いまで受け止めながら進める。そうした土壌があったからこそ、弊社の伴走支援も一方的な押しつけにならず、現場の納得を伴いながら進んでいきました。

役割で動く組織への変化

製造部 渡部氏

ナニワでは、改善を進める中で、特定の人の頑張りに頼るのではなく、誰が何を担うのかを明確にしながら進める形へと変わっていきました。以前は、改善に取り組む人の熱意や個人の動きに支えられる部分も大きかったといいます。そこから、改善内容ごとに必要な役割を整理し、それぞれが自分の役割として動けるようにしていくことで、特定の人だけに負荷が偏らない進め方へと変わっていきました。
ナニワで改善アシストを担っていた渡部さんにとっても、セレンディップの大場、溝口による伴走は大きな学びになりました。渡部さんはDXの段階から現場を見てきましたが、そこにセレンディップの改善支援が加わったことで、現場の課題を整理し、周囲と連携しながら改善を進める視点がより明確になっていったといいます。

現場改善の具体成果

こうした取り組みの結果、ナニワでは具体的な成果が生まれました。週休2日制の実現に向けては、まず「今の生産性を5%上げれば到達できる」といったように、必要な改善水準を数値で示しました。そこから逆算して、各メンバーが何に取り組むべきかを明確にし、そのうえで役割を割り当てていったのです。
その結果、ナニワでは生産性が15%改善し、年間休日は105日から119日へと改善しました。さらに、現場からは「作業がしやすくなった」という声も上がるようになりました。数値としての成果だけでなく、日々の作業のしやすさという実感
が伴ったことも、今回の現場改善の大きな成果だったといえます。

最後に|現場改善を定着させる「良き隣人」の考え方

ナニワの事例が示しているのは、現場改善は施策を入れれば終わるものではないということです。DXで生まれた余力を次の改善につなげ、現場に入り込みながら前向きな進め方を一緒に考え、成果だけでなく現場実感も伴う改善にしていく。
その積み重ねが、改善を定着させていくのだと分かります。また、一つの改善だけで終わらせず、その過程で誰がどう成長し、どんな別の前向きな変化が生まれたのかまで見ていくことも大切です。ナニワの現場改善は、効率化だけでなく、組織の中に改善が根づく土壌を育てていく取り組みでもありました。